目を覚ましたときに、必ず隣にいる人がいる。
その人がいなければ、とてもじゃないが一日中不機嫌になる。
そんな俺を仲間達は苦笑しているが、
仕方ないじゃないか。
シュラはというと、
「くだらんな・・・・」
と真剣に言うし、アフロディーテは、
「君も重症だね・・・分からないでもないけれど。」
と苦笑する。
そこまでさせているお前はと言うと、全く自覚していない。
何を?
そう・・・・お前のキスは俺にとって何よりも強力な薬だという事を・・・
巨蟹宮で、いつものように目が覚めたデスマスク。
ふといつも隣にいるはずの温もりがないことに気付く。
「?」
まだ完全に覚醒していない頭を振り、手近にあったシャツを羽織る。
ベッドにはまだ温もりが僅かに残っていることから、
そう時間が経っていないと思われた。
「・・・・・・・・・・・」
無言のまま、キッチンに向かう。
そこには湯気の立つ濃い目のブラックが置いてある。
「、そこにいるのか?」
「んー?あっ、デスマスク!おはよう!!」
明るい声でデスマスクに挨拶をする。
と共に暮らすようになって1年半。
いつもいつも一緒に過ごすデスマスク達を、最近はからかう者はいない。
当初、一番不貞腐れていたシュラも、
最近では彼らを暖かく見守っている。
『やっと見つけた女だろう?大事にしてやれよ!』
といい笑いながら肩を叩いてくれる。
そんなシュラに真剣に当たり前だと答えるデスマスク。
「・・・・・・」
「どうしたの?」
食卓に無言で座るデスマスクに、が心配そうに顔を覗き込む。
明らかに不機嫌なデスマスクに多少たじろぎながらも、
は朝食の準備をした。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
終始無言のままの朝食。
は何故、デスマスクが不機嫌なのか分からなかった。
食事の後、デスマスクは休日ということもあって、ラフな格好をしたまま
リビングへ行き、テーブルの上にある雑誌を読む。
そんなデスマスクにはそっと後ろから抱きつく。
「ねぇ、どうしたの?」
「・・・・・・・・・・・・」
「何か、不機嫌?」
「・・・・・・・・・ああ。」
「私、何か悪いことした?」
「・・・・・・・・・・・・」
「黙ってちゃ分からないよ!?」
するとデスマスクは強引にを抱き寄せる。
「デスっ・・・・・・んんっ!!」
突然のキスに目を見開く。
しかし、そのキスのあまりの熱さ・・・甘さに次第にゆっくりと瞳を閉じた。
ようやく解放されたは、熱の篭った瞳でデスマスクを見る。
デスマスクはというと、そのままの服に手をかける。
「ちょっ・・・何!?」
「気付けよな・・・・」
「えっ・・・・何・・・・んんっ!?」
そのままを抱きかかえ、寝室へと向かうデスマスク。
そしてゆっくりとベッドにを横たえると、
その身体の上に自分も覆いかぶさる。
「えっと・・・デスマスク・・・あの・・・・」
「俺は朝目が覚めたときにお前のキスがないと不機嫌になるんだよ」
そのままの言葉を遮るようにキスをし続ける。
お前は自覚した方がいいぞ。
俺をここまで真剣にさせたのはお前だけだ。
お前のキスだけで俺はこうなるんだぞ?
分かってんのか?
それだけ俺がを愛しているんだ。