いつの間にか慣れていた
起きると目の前にある長い睫毛
自分の体を包み込むたくましい腕
そして頬をくすぐる深紅の髪
「もう起きるのか?」
「ん、もう少しこのままでいる」
「そうか」
そう言って額に軽く唇を寄せる
「カミュ」
「何だ?」
「髪の毛、くすぐったい」
「そうか?」
「うん」
「そう言うお前の髪もくすぐったいな」
「そう?」
「だが、それも含めて愛しているがな」
「カミュ///////」
平然と真顔で言ってのけるその言葉には思わず頬を赤らめる
そんなの様子を楽しそうに見つめるカミュに
やっぱりこの人が好きなんだと改めて自覚する
「ねぇ、今日はお仕事あるの?」
「いや、今日は何もない。」
「じゃあ、一緒にいられるね」
「そうだな」
そう言うとカミュはすっと上体を起こし、近くにあったガウンを纏う
は同じように起き上がるとシーツを体に巻きつけ、ベッドから降りる
「そのようにしているとまるで、今から舞踏会にでも行きそうな感じだな」
「そうかな?」
カミュが水と氷の魔術師らしく、淡いブルーに統一された寝室。
何もかもに氷の結晶があしらわれており、シーツも淡いブルー。
そのシーツが何重にも重なったヴェールのように
の体を隠している。
が一歩動くとシーツの裾がひらひらを舞う。
カミュはの腕を取り、自分の方へと引き寄せる。
「、お前は暖かいな…」
「どうしたの急に?」
「いや、今日はずっとこのままでいることにしよう」
「こっ、このままって…」
「このままを抱きしめておこうと思ってな」
「もう!」
「ははははは」
そうやって笑うカミュに少し頬を膨らましただったが
すぐに優しく微笑むと自分の腕をカミュの体に絡ませた。
「このままでもいいけど、何もできないよ?」
「そうか?」
「ご飯とか、お風呂とか」
「食事はこのままでも出来るさ。仔リスのようにおまえは軽いからな」
「重いよ!!」
「風呂もこのまま入ればいい。」
「カミュのエッチ!」
そうかと言わんばかりの表情でカミュは笑うと、そっとにキスをした。
「でも、本当に私はいつもお前に触れていたいのだ」
「私も・・・カミュは落ち着くから・・・」
「お前の温かさを感じていられるのなら、私は私の全てをお前にやろう」
カミュは極上の笑みを浮かべてを抱き上げながら言う。
その言葉にも同じように微笑み、カミュの額にそっとキスをした。
「私はずっと側にいて、貴方を温めてあげるわ」
小春日和の朝の事・・・
今日も宝瓶宮は優しい春の温かさが満ちていた。