どんな伝え方でも、それがその人らしければ…
それで十分だと思う。







「………カミュ。」

「なんだ、サガ。」

「この状況はどうすればいいのだ?」

「私に聞くな…」

サガとカミュは正直頭を抱えていた。
それもそのはず。
二人の間で、はすやすやと寝息を立てていたからだ。

「……こんなに酒が弱いとは…」

「ああ、正直思ってもみなかった…」

サガとカミュは昼間、と買い物など楽しんだ。
それが楽しかったからせめてお礼にと、
二人はを夕食に誘ったのだが…

「どうすればいい?」

「だから私に聞くな、サガ。」

ほんの少しのワイン。
それを飲んだ後、すぐには寝入ってしまった。

「……ここでお前がいなければな…」

サガの一言に少々ムッとするカミュ。

「そうだな、の身が危険だった。私がいてよかったな、サガ。」

にやりと笑いサガを見る。

「ああ、もし私がいなければに何かあった時に心配だ。」

負けじと反撃するサガ。




「ん……」




ふとが身体を動かす。
起きるのかと思いきや、まだ起きる気配などなかった。
そんなの寝顔を見て、穏やかな笑みを浮かべるサガとカミュ。

「とりあえず……」

「このままでは風邪を引く。」

そこは二人の意見があい、を連れて帰る事にした。
だが・・・・

は私が運ぼう。」

「いや、私が運ぼう。」

そう、どちらがを運ぶかでまた口論。
しかし、そんな口論も全て表に出さず、小宇宙でのもの。

「……ん、……様、大好き…」

ふとの口から出た言葉。
二人の動きが止まる。

「だ…」

「大好き??」

そして……

「おい、!起きろ。」

「風邪を引く!起きるのだ!!」

二人は声を大きくしてを起こす。

「んーー……何れすか??」

目を擦りながら、不機嫌そうに二人を見上げる
せっかくほろ酔い気分でいい気持ちだったのにと。

、一体誰の夢を見ていたのだ?」

サガはの髪を撫でながら尋ねる。

「ほぇ??」

「大好きと言っていた。」

カミュはそんなサガの行動が気に食わないのか不機嫌そう。
だが、を見るときは極上の笑みを浮かべている。

「ら・・・・名前言っれまひた????」

慌ててカミュの腕を掴む。
その行動に今度はサガが不機嫌になる。

『あああ!、その男は危険だ!!』

サガのテレパスに少々イラつきながらも、カミュはそっとの身体を抱き締める。

「いや、それは聞こえなかったが。」

「よかった…て、カミュ様……」

は一発で酔いもさめ、恥ずかしそうに頬を赤らめる。
それを見たサガの小宇宙が殺気に満ちてくる。

『カミュ!!!』

『サガ、の方から来たのだ。』

『それは名前が気になって…早く離れろ!』

『あながち、嫌がっていないようだぞ?は。』

カミュの言葉通り、は頬を赤らめているが嫌がっていないように見えた。
そのの表情の愕然とするサガ。
勝った!と言わんばかりに笑うカミュ。

「あっ…あの…」

そんな二人を見てはそっと言った。

「ああ、すまない。嫌だったか?」

少し悲しげにカミュはを見る。

「そんな事…ないです…」

ーーー!!」

サガは思わず声を出した。

「サガ様…??」

をカミュから奪い取ると、サガは強くを抱き締めた。

「ササササササガ様!?!?!?!?」

「なっ、サガ!!」

、私はお前が好きだ!!」

サガの突然の告白。
それに驚くとカミュ。
は顔を真っ赤にしている。
一方、カミュの瞳には殺気が…

、お前の好きな男は誰なのだ?」

「あ…私の好きな方は…」

「待て、。」

見つめ合う二人の間に入るカミュ。
はサガの腕の中にいるのだが、
そんな事はお構いなしににキスを落とした。

「ーーーーーー!!!!」

「カミュ!!!!」

は思考回路ショート寸前。
いきなりキスをされたのだから仕方はないと思うが。

、私の気持ちだ。」

「カミュ様…」

二人同時に想いを告白された
混乱するのは無理もない。

「私達はどうやらを本気で愛しているようだ。」

「サガ様…」

、お前の気持ちが知りたい。」

「カミュ様…」

普段は大人なのに、些細な事から子供のようになってしまうサガ。
決して表に出さないが誰よりも熱い激情を秘めているカミュ。
そんな二人の想いの告げ方に、は正直戸惑う。

「わ…私が好きな方は…」

「「好きな方は???」」

見事にサガとカミュの声が重なる。

「あ……やっぱり言えません。」

顔を下にして、謝る
そんなを見て、二人はふっと笑う。

「いいのだ、。」

「カミュ様?」

「無理強いはしたくないし…」

「サガ様…」

「ただ、私を嫌わないでくれないか?」

サガの言葉に頷く。

「私はいつもお前を想っているのだから…忘れないで欲しい。」

カミュの言葉には頷いた。

「にしても…私の事はどう想っているのだ?」

「えっ?」

「ああ、それは私も同じだ、サガ。」

二人の真剣な視線を感じ、はまた顔を赤くする。

「あ、お二人とも・・・・大好きな方です…」







その言葉に、サガとカミュは微笑む。
そして、ひそかに約束が交わされた。

の事は二人で仲良く愛そうと。