貴方はいつも私以外の女の人を見ている。
私がいるのに…
ねえ…気付いてるの?
こんなに悲しいのに…




「デス…ねぇ…」

「なんだよ?…」

デスマスクはソファに座り、煙草をふかしている。
そんなデスマスクには少し不機嫌そうに話す。

「昨日は誰の所に泊まったの?」

「ぶっ…!!!げほっ…」

思わず咳き込むデスマスク。

「あたしは貴方の何なの???」

はデスマスクの顔を覗きこみながら聞く。

「そりゃ…俺様の女に決まってるだろ?」

そう言ってデスマスクはの首に手を巻きつける。
そして、顔を近づかせる。

………が。


「…デス…シャツに口紅…」

「えっ…」

デスマスクは自分のシャツを確認する。
しかし、そんなものはついていない。

「…知らない」

ボそりと呟く

「なっ…お前騙したな!」

「反応するデスがおかしい!!もう知らない!」

はデスマスクに一撃を食らわせる。

「って!何すんだよ!…おいっ…!!」

「あたしばっかりいつも好きって言ってる!デスは絶対言ってくれないし…」

ボロボロと大粒の涙が零れる。

「おっ…おい…」

「ヒック…本当に…あたしが……好きなの???」

は顔を覆い隠す。
悔しさと虚しさがを襲う。

何と格好悪いのだろう。
これではただの我が侭ではないか?

デスマスクの女癖の悪さは今に始まったことではないのは知っている。
それでもデスマスクを選んだのは、本当に彼が好きだから…

「あたし…デスに好きって…抱きしめて欲しいのに…いつも…違う女の人の事…」

…」

デスマスクは驚いた。
今までこんなを見たことがなかった。
いや、知らなかっただけかもしれない。
は純粋でか弱い部分があるのを忘れていた。

「あたしだって…あたしだって…」

溢れる涙は、の頬を伝い落ちていく。

「寂しい…よ…」

デスマスクが心配しないように…
彼らしさが失われないようにと。

どんなことがあっても、寂しさなど懸命に表に出さないようにしていただけだった。

「……」

ふわりとの身体が包まれる。

「俺は、本気でお前が好きだ…」

「デス…」

「何か…そんな事言わなくても伝わってるって…勘違いしてた。」

デスマスクはの涙を唇で拭っていく。

「俺だけ…満足してたんだな…すまん…」

「これから…ちゃんと言ってくれる?」

の問いに、デスマスクは微笑む。

「ああ、お前の気が済むまで言ってやる。」

そうして交わされるキス。

「好きだぜ……これからもなっ」

「あたしも…好き…デスマスクが好き…」

二人で視線を交わし、微笑む。

「でも…あんまり他の人のところに行って欲しくない…だって…」

「だって何だよ?」

「悔しいから…あたしだけのものになって欲しいもん…」

は真剣にデスマスクを見つめた。
その瞳があまりにも綺麗で…吸い込まれそうで…
デスマスクはそっとその瞼にキスをし、耳元で囁いた。



「ああ、もう行かない。俺はお前のものだ…。、愛している…」