私の旦那様はちょっと変わっています。
どう変わっているかというと…



【愛情表現】


「ほらっ起きてよ!!サガ!!」

がサガを起こしに寝室へと足を運ぶ。
サガはまだ、ベッドの中。
は軽くため息をつくと、そっとベッドに座り優しく揺り起こす。

「サガ、遅刻しちゃうよ?」

「……か…?」

寝起きのせいか少し掠れたサガの声。
その声に色気すら感じてしまう

「まったく…いつもは俺の方を起こしに来るくせに…」

ひょいっと顔を覗かせるのはもう一人の旦那…カノン。
はサガとカノンの奥さん…
双子で、しかも好みが全く同じサガとカノン。
を巡ってかなりイザコザがあった。
しかし、現アテナの一言で終止符を打たれた。

『二人ともさんの夫になればいいじゃない』

確かに、は二人を愛していた。
二人から求婚された時、どちらかを選ぶなんて出来なかったのだから。
アテナの言葉で、双子はの夫になることができたのだが・・・・
実際、結婚してみるとそれぞれ独占欲が強い。

「ごめん、だってサガが起きないんだもん。」

「私は今日は休みだ。」

「へっ?」

「昨日言ったろう?」

は頭に?をつけてサガを見る。
そんなにサガはくくっと笑い、を抱き寄せた。

「おい、サガ。」

カノンの冷ややかな視線を受けつつも、サガはを離さない。

「カノン、お前は今日仕事があるだろう?」

「けっ、昼間だけだかんな!!」

「心配しなくても、は私が愛しておく。」

「サっサガ!!!」

真っ赤になるとは違い、カノンは面白くなさそうにサガを見る。

、今夜は寝かさないからなっ!」

「カノン!!!」

「お前は残業だ。カノン、たまには私の代わりをきちんとしてこい!」

の首元に顔を埋めながら、サガはカノンに言い放つ。

「げっ!!」

「昨日、たっぷりと過ごしたのだろう?はお前だけの妻ではないのでな。」

「どーしてお前と双子なのか分からん。」

「私も同意見だ。」

「……あの……」

は二人の会話に入る事が出来ず、ただ顔を真っ赤にするだけだった。

「とにかく、早く行け。」

「あいよ…んじゃ行って来る。」

そう言って、サガの腕からを奪い取り濃厚なキスを交わす。

「んん……」

そんな光景をサガは煙草に火をつけながら見ていた。

「おい、サガ。禁煙したんじゃないのか?」

「たまにはいいだろう。カノン、早く行け。」

「ったく…んじゃな。サガ…」

部屋を出て行こうとしたとき、カノンは振り向いてサガに声をかけた。

「何だ。」

を抱くのはいいが、夜は俺が抱くからな!」

「一人占めか?」

「昼間はお前が独占してるだろう?」

「今日だけだ。昨日はお前が独占していただろう?」

「なら、今日は二人で愛してやるか…」

「それがいいな。」

そんな双子の会話を聞き、はたまらず叫び声を上げた。

「馬鹿双子ーーーーー!!!!」

二人の会話にようやくが反応した。
の真っ赤になった顔といい、この声といい。
双子にとってはこの上なく可愛く思えてしまう。
二人はくくくっと笑い、を見た。

「くくっ、んじゃな。」

そう言ってカノンは教皇の間に出かけていった。

…」

「んー?」

「お前は私達にとって最高の妻だな。」

「なっ…何言ってんの!!」

「そうやって怒った顔も可愛いということだ。」

そう言って、サガはにキスをした。






その夜、結局は二人に愛されたという。
次の日には仲良く教皇の間に行く双子と、ベッドから起き上がれず寝込んでいるがいたそうな…