ねぇ、愛してると言って?

ねぇ、私を見て?



なのに・・・

貴方はいつも黄金の髪を靡かせて空を見上げるばかり。
私の事をちっとも見てはくれないのね


「そんな事はない」





「私はいつもの事を考えている」


ほら、また嘘ばっかり
私がどれだけ貴方を愛しているのか分かっているの?
どれだけ側にいて欲しいのか知っているの?


「側にいてくれるだけでいいのだ・・・


側にいるだけでいいの?
貴方はそれで満足なのね?


どうして私の気持ちを分かってくれないの?


「私の気持ちは知っているだろう?とても大切なのだ・・・お前だけが」


私は貴方の温もりをずっと感じていたいのに・・・
触れる事さえしてくれない。

それなのに貴方の胸の中には、
私はきっとちっぽけな存在なのだわ。





それならば






もっと私を見てくれる人の方へ行こうかしら?
その方がどれだけいいか・・・それとも・・・


、私と共にいてくれ、離れないでほしい。」


ああ、どうして貴方はいつも私の決断を揺るがすの?
いつも、いつも、
私の事なんか、見ていないくせに・・・


、私にはお前が必要なのだ・・・」


ああ、もう止めて
貴方の言葉の鎖で私を繋ぎ留めないで

愛してるなんて一度も言ってくれないくせに
どうして私が必要なの?

ねぇ、サガ

貴方は私に何を求めているの?

結局、必要なのは・・・

ワタシノナニ?









、何故!!」


教皇宮に居たはずの貴方が、何故、ここにいるのか分からない。

ああ、貴方は泣いているの?

でも貴方と全く似て否なる存在が私の身体を抱きしめている。
どうして貴方ではないの?

流れる赤が貴方の法衣を汚してしまうから?

止まらない・・・止まらない
私の赤い涙

こんな時でも貴方は私に触れてくれない
そうか・・・私は穢れているから触れられないのね?

神の様な神聖な貴方が
私のような赤を纏った女に触れられるはずがないもの・・・


『サ・・・ガ・・・?』


私の口から声が出ているのかしら?
貴方はハッとして私の傍へと寄ってくる。


サガ、貴方は何を見てるの?


「何を言っているんだ!」


私はそんなに変な事を口にしているのかしら?


「どうして・・・どうしてこんな!!」


こんな?
首筋が焼けるように熱く感じる事?
押さえられている手が酷く冷たく震えている。

でも・・・押さえている手は貴方ではなく同じ存在の弟


サガ。貴方の手は暖かいのかしら?


喉が熱い・・・
言葉を出す代わりに出てくるのは・・・


赤・・・赤・・・赤・・・・


響くのは風切るような音


!!!」


聞こえるのは貴方の声ね、サガ
でも私は貴方の声より、温もりが欲しいのに・・・

今、貴方は私を見ているのでしょう?
ああ、ようやく私だけを見てくれているのね。

今、貴方の頭の中は私で一杯のはずなのよね?


!!!!!」


貴方が私の名前を呼んでくれている。
悲痛な叫びが聞こえるわ。


ふと身体が浮いたのは何?


『汚れ・・・わ・・・サ・・・ガ』


「そんな事関係ないだろう!!」


ああ、サガ
貴方は神のような人なのに・・・
こんな赤に汚されてはいけないのよ・・・


遠のく意識が何故か心地いい。
初めて触れた貴方はやっぱり想像した通りね


温かい・・・サガ・・・
ねぇ、聞かせてよ・・・貴方の口から

私を愛してると


!私は・・・お前を失いたくない!!」


違うのよ、サガ
私が聞きたいのは・・・


「愛している!」


ようやく聞けた・・・


『やっと・・・言っ・・・て・・・くれ・・・た』


徐々に貴方の姿が見えなくなってくる。
でもきっと私は笑っているのよね
あ、頬に何か感じる・・・

これは貴方の涙?

私の涙?



「これからはいつでも言ってやる!だからっ!!」


もういいの・・・とても満足したわ


この赤い感情はきっと貴方に植えつけられるのでしょう?
そうすれば私は永遠に貴方の傍に存在していられるのよ?

貴方が望んだ事になる・・・


そうでしょう?

サガ・・・